制作に関わったクリエイターのコメントを紹介します。
写真撮影 山里翔太
僕にとって写真とは、光を描くこと。何故なら写真は絵画と同じ描くアートだからです。
今回僕は埴輪を被写体として、撮影をしました。
いにしえといまが交わった不思議な時間の中、僕は彼らと向き合いながら対話し、彼らが生きていた頃の表情や体温を感じ、想いながら、僕は無我夢中になりながらも様々な方向からカメラを向けて、埴輪たちを捉えました。
僕は今まで埴輪のようなものを撮ったことが無く、今回埴輪達のようなスピリチュアルなものを撮影できて、自分の中で何か新しいものが生まれたと感じています。
音源制作 中南賢治
今まで思いついたこともなかった「埴輪をイメージした音楽」を実際に作るにあたって、まずはどのような空気感の音楽を作るべきか、そして上映に際し、前後の展示空間との関係性を崩さないような全体のテンションはどの程度かを考える必要がありました。音楽は、谷先生から形も音色も様々な8つの鈴をお借りし、いろいろな鳴らし方を録音したものと、太鼓の音から基本的なループを作り、展開を作り上げています。リズムをゆらゆらと体感しながら、お聴き頂けると幸いです。
実際に使用した鈴
一番大きい鈴で存在感があり、鳴らすと重々しい音がする。
中の玉が角棒のようになっており、アタック感の強い音が鳴る。
他の大きい鈴に比べると軽快に鳴り、かつ厚みのある音がする。
大きさに反して鈴に厚みがあり重たく、鼓膜に響くような響きと複雑な音色がする。
軽やかで、カラカラとした音色。
高めの音で、金属的な色が強い。
耳に響くような高音に、少し曇りが加わったような音色。
一番小さく、プツプツとしたような音色がか細く鳴る。
映像編集 小田望楓
映像を編集する際には、一体一体の埴輪に宿された想いや心象を読み取ることを意識しました。
背景は、埴輪のプライドや思想の中を感じさせる黒に統一し、言の葉達は音楽に合わせながら、それぞれ違った効果や緩急をつけています。言の葉の順番は、読みやすさを意識しつつ、この埴輪は次にこう主張したいのではないか?と思索しながら選び出しました。また、埴輪が目を瞬く度に追想される景色を、動画や写真を使用し、実際に体感できるようなイメージで編集しています。映像の最後には、観た人に埴輪の体温をより意識させ、印象づけるために全ての埴輪達の想いを込めて一文を表出させました。
メインビジュアル・ロゴ制作 中野弥恵
今回、「埴輪の体温」のフライヤー・ポスターを制作するにあたり、一番大切にしたのは、いかに写真を殺すことなくデザインの中に自然に取り込むかということです。
様々な試行錯誤の結果、自分自身納得のいくものができたのではないかと思います。
「埴輪の体温」のロゴは、写真たちに負けないようにあまり見たことのない字体、無機質でありながらもその中にゆらめく体温をイメージして制作しました。