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制作に関わったクリエイターのコメントを紹介します。
写真撮影 村山 直子
360度カメラには、縦長形状のカメラの前後にレンズがあり、片方のレンズで180度ずつ撮影し、カメラ内で1枚に合成(スティッチング)される。
これにより、カメラを中心とした周りの風景360度全てをワンクリックで1枚の写真に収めることができる 。それはちょうど地球儀を平面の世界地図にしたようなイメージになる。
今回、360度カメラを使用し、指定された古墳の周りで撮影を行った。
撮影当日は初冬のやわらかな光が美しく、古墳のそばの木にはまだ紅葉した葉が残り、ベストなタイミングでの撮影ができた。
360度カメラで撮影したものは、特性上、無限に編集可能であるが、横長のパノラマにできるように専用のソフトウェアを使用して何通りにも編集し、その中から展示イメージに合うものを選んで頂いた。
近つ飛鳥の展示場内で、これまでにない巨大な360度写真パノラマ空間を体感していただければ幸いである。
写真撮影・映像(構成・編集) 立松 侑也
「脈打つ情景」というテーマのもと、私は自然や時間の流れに着目し、映像と写真を通じて“鼓動”を表現した。
木漏れ日は目覚めの瞬間をイメージし、光が揺らぐぼんやりとした映像を撮影した。
朝、瞼の裏で感じる光のように自然が静かに目覚める様子を自然の温かさのようなものとして捉えた。
石室に差し込む光は時間の流れを表現するため、光が移ろいゆく様子を撮影した。
差し込む光が暗くなり、また明るくなる。それはまるで大きな呼吸のようであり、時間の脈動が感じられる。
今回の展示では「脈打つとは何か?」を考え、
鉱石が鉄に加工され、やがて錆びていく、建物が生まれ、朽ち、自然に還る 、木に葉が付き落葉すると言う自然のサイクルに着目した。
そこに見出したのは、そのサイクルの繰り返しがひとつの鼓動であり、
また、時間経過による無数のサイクルが重なり合うことで“脈打つ”という現象が生まれるのではないかということだ。
作品を通じ、近つ飛鳥風土記の丘が目覚める様を体感していただければ幸いである。
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